Garminの「負荷比」とは? 走行距離だけではわからないトレーニング負荷の見方

Garminの負荷比を活用して、ケガなく長くランニングを楽しむイメージ ランニング

昨日は久しぶりにチーム練に行って、みんなとおしゃべりして、モチベーションアップにつながりました。

そのとき、チームメイトのForerunner 1**シリーズを見せてもらって気がついたのですが、同じGarminでも機種によって、レポート画面に表示される内容が違うんですね。

私は今年の冬、最初に買ったForeAthlete 55からForerunner 570に乗り換えました。「負荷比」を確認できるようになったのは、買い替えてよかったと思う点のひとつです。

とはいえ、最初から意味を理解していたわけではありません。

Garmin Connectに表示される「負荷比」という言葉を見て、

「そもそも、何と何の比率なんだろう?」

と思ったのが、この記事を書くきっかけでした。

本稿では、同じように「Garmin 負荷比」などと検索して、このページにたどり着いた方に向けて、負荷比とは何なのか、実際にGarminを使っている市民ランナーの視点からお話します。

走行距離を急に増やすと故障しやすい?

マラソンの練習では、「走行距離を急に増やさないほうがいい」とよくいわれます。

有名なのが、週間走行距離を増やす場合、前の週から+10%程度までにするという、いわゆる「10%ルール」です。

たとえば、先週50km走ったなら、今週は55km程度まで。いきなり70km、80kmと増やすのではなく、少しずつ身体を慣らしていこうという考え方です。

ただし、「10%以内なら故障しない」という意味ではありませんし、10%という数字を絶対的な安全基準として考えるものでもありません。

それでも、「練習量を急激に増やさない」という考え方自体は、ランニングを長く続けるうえで意識しておきたいところです。

そして私は、ここでもうひとつ疑問に思いました。

同じ10kmでも、ゆっくり走る10kmと、スピード練習の10kmでは、身体の負担が全然違うのでは?

走行距離だけを比較して、本当に練習量の増えすぎを判断できるのでしょうか。

ゆっくり10kmとスピード練習10kmは同じではない

私は普段、ゆっくり長く走る練習をかなり多く取り入れています。もはや練習というより、スロージョグは買い物など外出先に向かう単なる移動手段のひとつ(笑)。

LSDのようにペースを決めず長時間走る日もあれば、少しペースを上げて走る日もあります。ファルトレクなど、短時間ながらも強度を上げる練習をすることもあります。

どれもGarmin Connectの走行距離には、同じ「1km」として加算されます。

でも、身体にかかる負荷は同じではありません。

ゆっくり10km走るのと、息が上がるペースで10km走るのでは、疲労の残り方も違います。

逆に、ペースが遅くても30km走れば、それなりの負荷になります。

となると、「今週は何km走ったか」だけを見ていても、トレーニングによって身体にどの程度の負荷がかかったのかを判断するのは難しくなります。

そこで便利なのが、Garminの「トレーニング負荷」です。

Garminは「何km走ったか」だけを見ていない

Garminでは、運動中の心拍数などから推定されるEPOC(運動後過剰酸素消費量)をもとに、トレーニング負荷を数値化しています。

つまりGarminは、単純に「何km走ったか」だけを見ているわけではありません。

実際にGarmin Connectの「運動負荷」を見ると、日ごとの負荷が棒グラフで表示されます。

さらに、負荷はひとつの数字として表示されるだけではなく、「低強度有酸素」「高強度有酸素」「無酸素」に色分けされています。

Garmin Connectの運動負荷画面。低強度有酸素、高強度有酸素、無酸素の負荷を日別に表示
[詳細]-[パフォーマンス統計]-[トレーニングステータス]-[負荷]-[運動負荷]

私の場合、ゆっくり走ることが多いので、水色で表示される「低強度有酸素」の日が多くなっています。

一方、昨日はチーム練でタータントラックを走り、気持ちよくスピードを上げました。上のグラフの右端を見ると、紫色の「無酸素」の負荷がかなり入っています。

同じランニングでも、ゆっくり走った日とスピードを上げた日では、Garminが記録する負荷の中身が違うことが、この画面を見るとよくわかります。

走行距離だけではわからない「練習の中身」を、Garminが数値化してくれているわけです。

Garminの「負荷比」とは?

では、その「運動負荷」を使って何を見るのが「負荷比」なのでしょうか。

Garminは負荷比を、短期的なトレーニング負荷と長期的なトレーニング負荷の比率と説明しています。

簡単にいえば、

負荷比 = 最近のトレーニング負荷 ÷ これまで積み上げてきたトレーニング負荷

というイメージです。

私は最初、負荷比という名前から「練習量そのものを評価する数字」なのかと思っていました。

でも意味を知ってみると、

「最近、いつもの自分と比べて急に練習を増やしていない?」

とGarminにチェックしてもらう数字、と考えるとわかりやすくなりました。

Garmin公式のForerunner 570マニュアルにも、「負荷比」について説明されています。

Garmin公式:Forerunner 570「負荷比」
https://www8.garmin.com/manuals-apac/webhelp/forerunner570/JA-JP/GUID-34723DD2-14B1-47DF-8005-DD65004E9ECF-7065.html

Garmin Connectの負荷比画面。短期的負荷と長期的負荷の比率を表示
[詳細]-[パフォーマンス統計]-[トレーニングステータス]-[負荷]-[トレーニング負荷]-[負荷比]

Garminが示す負荷比の目安

Forerunner 570の公式マニュアルでは、負荷比の目安は次のようになっています。

・0.8未満:低
・0.8~1.4:最適
・1.5~1.9:高
・2.0以上:とても高

0.8~1.4では、短期的負荷と長期的負荷のバランスがとれているとされています。

ただし、Garminも最適な範囲はユーザーのフィットネスレベルやトレーニング履歴によって異なると説明しています。

そのため、0.8~1.4という数字だけを守ればよいというものではなく、自分のトレーニング履歴との関係を見るための目安として使うのがよさそうです。

走行距離だけでは気づけない「増やしすぎ」

ここで最初の「10%ルール」の話に戻ります。

たとえば、先週100km走って、今週110km走ったとします。

走行距離だけを見れば10%増です。

でも、先週の100kmの大半がゆっくりしたジョグで、今週はスピード練習を何度も入れた110kmだったらどうでしょう。

距離は10%しか増えていなくても、トレーニング負荷の増加まで10%とは限りません。

逆に、走行距離が増えていても、その大半が低強度のゆっくりしたランニングなら、距離の増加率と負荷の増加率は違ったものになるでしょう。

だから私は、週間走行距離だけで練習量を考えるより、「どんな強度で走ったのか」も含めてGarminに数値化してもらうほうが、自分の練習の実態をつかみやすいと思っています。

そして、その最近の負荷が、これまで積み上げてきた負荷に対して急激に増えていないかを見る。

それが「負荷比」というわけです。

負荷比が表示されない場合は?

冒頭で触れたように、Garminは機種によって搭載されているトレーニング機能が異なります。

そのため、Garminを使っているからといって、すべての機種で負荷比を確認できるわけではありません。

「Garminを使っているのに負荷比が出てこない」という人は、まず、お使いの機種のGarmin公式マニュアルで「負荷比」という項目があるか確認してみるとよいでしょう。

Forerunnerシリーズのマニュアルは、Garmin公式サイトから確認できます。

対応機種でも、すぐには負荷比が表示されない

もうひとつ知っておきたいのが、負荷比に対応しているGarminを買っても、最初から表示されるとは限らないことです。

Forerunner 570の場合、Garmin公式マニュアルには、2週間トレーニングを記録すると負荷比が表示されるとあります。

考えてみれば、負荷比は「最近の負荷」と「それまでの負荷」を比較する数字なので、比較対象となるデータが必要なのは当然ですね。

買ったばかりのGarminで負荷比が出てこなくても、故障や設定ミスとは限りません。

Forerunner 570で負荷比を確認する

Forerunner 570では、「トレーニングステータス」の中で負荷比を確認できます。

Garmin公式マニュアルでも、「トレーニングステータス」の項目の中に、

・短期的負荷
・負荷バランス
・負荷比
・トレーニング効果
・リカバリータイム

などが用意されています。

Garmin公式:Forerunner 570「トレーニングステータス」
https://www8.garmin.com/manuals-apac/webhelp/forerunner570/JA-JP/GUID-ABE97632-5A26-4CD6-B8FF-0E46B350B31D-2320.html?q=トレーニングステータス&nav=search_pane

私はGarmin Connectでトレーニングステータスを確認しています。

アプリのバージョンやOS、機種などによって画面構成が変わる可能性があるので、「ここを何回タップ」と覚えるより、「トレーニングステータスの中に負荷比がある」と覚えておくほうがよさそうです。

負荷比は「練習しすぎ判定」ではない

便利な数字ですが、Garminの負荷比だけを見て練習を決めるものではないと思っています。

負荷比が「最適」だから、絶対に故障しないわけではありません。

同じトレーニング負荷でも、睡眠や体調、気温、路面、シューズなどによって身体への影響は変わります。

そもそもGarminが把握できるのは、Garminが取得できたデータの範囲です。

私自身もGarminの数字を見て、

「今日はもっと走っていい」

「今日は走ってはいけない」

と決めてもらっているわけではありません。

最終的には、自分の身体の感覚を優先します。

ただ、

「自分ではいつも通りのつもりだったけれど、最近ちょっと負荷を上げすぎているかも」

と気づくための材料にはなります。

そういう使い方なら、とても便利な指標だと思います。

私はGarminのデータをAIにも見てもらっています

最後に、私自身がGarminのデータをどう使っているかを紹介します。

私はGarmin Connectの画面をスクリーンショットにして、ChatGPT(「チャッピーさん」と呼んでいます)に見せることがあります。

Garminは、心拍数や走行距離、ペース、トレーニング負荷など、Garminが取得したデータをもとに分析してくれます。

一方で、Garminが知らないこともたくさんあります。

たとえば、私自身の体調や持病のこと。仕事や日常生活でどのくらい疲れているのか。暑さや寒さなど、その日の天候。そして、これから出場するレースのうち、どの大会を重視しているのか。

そうした情報は、Garminの数字だけを見ていてもわかりません。

そこで私は、Garminのスクリーンショットと一緒に、

「今日は誰とどこで、こんな練習をした」
「昨日は仕事が立て込んでいて疲れている」
「次のレースは完走重視」
「秋のこの大会ではタイムを狙いたい」

など、Garminが把握していない情報もチャッピーさんに伝えています。

すると、Garminが数値化したトレーニング負荷と、それ以外の自分の事情をあわせて、

「最近は少し負荷が高め」
「このくらいなら無理に減らさなくてもよさそう」
「今日は距離を伸ばすより回復を優先したほうがよさそう」

といったように、練習を考えるための材料を増やすことができます。

もちろん、GarminもChatGPTも、私の身体そのものをわかっているわけではありません。

最終的に走るか休むかを決めるのは自分です。

でも、

Garminには、自分では数値化しにくい運動負荷を見てもらう。
ChatGPTには、Garminが知らない自分の事情も含めて一緒に考えてもらう。

私はそんなふうに使い分けています。

「何km走ったから十分」「負荷比がこの数字だから大丈夫」と、ひとつの数字だけで判断するのではなく、いろいろな材料を集めて、自分で決める。

負荷比も、そのための材料のひとつとして使っていこうと思っています。

Garmin Forerunner 570
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